キミ色ヘブン
君が、君達がそこにいてくれるだけで平凡な日常は輝いて。

そんな事が嬉しくて、心が躍る。

「そんなに沢山の色使うんだ?やっぱ芸術って分からないなぁ」

パレットを眺めながら中山君が言う。

「気にしない。気にしない」

キャンバスにはおもにバーントアンバー(こげ茶色)で写し出したまだ下書き程度の人物。

パレットの上に並ぶカドミウムグリーンもイエローオーカーもセルリアンブルーも……

皆、キミのための色。

キミだけの色を作り出すモノ。


そして

私だけの世界──


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