キミ色ヘブン
「おはよ。……中山君、派手だね」

ホントは信号みたいだと思った。黄色の髪に真っ赤なパーカーにブルージーンズ。

「あ、分かる?今日のテーマは信号なんだよね」

「…………」

分かりやすい。

無邪気に笑う中山君の視線が私の頭から足の先までを行ったり来たりする。

きた!“彼女”のファッションチェックに違いない。

それなり、だよね?努力の跡が見えるよね?

合格だよね?だってあんた“信号”だし。

テスト返却の時と似たようなドキドキ感が駆け抜け……

「白川さん、着替えて来れる?」

「はぁ!?」

我ながら間抜けな声が出たと思う。こんなに頑張ったのに?サンダルなんてわざわざ新調したのに?

「あのね?ごめんね?……バイク、その格好じゃ乗れない」

私、知らぬ間に中山君を睨んでいたんだろうか?中山君はちょっと困ったような顔をして頭をポリポリかくと小さく息を吐いた。
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