キミ色ヘブン
ため息つくことないじゃん!そりゃ、バイクなのに短いワンピース着た私はちょっとバカだったかも知れないけど。

結局部屋に戻ってジーンズに真っ青なTシャツを着た。まるで普段の私に戻ってしまった。苦労してアップにした髪も『ええい!』と下ろしてやった。

再び玄関のドアを開けるとバイクに跨った中山君がニッコリ笑う。

「可愛いね」

「……近眼?」

「なんで?2.0だよ?」

嫌味さえ通じない。

「さ、乗って乗って」

バンバンとバイクの後ろのシートを叩く中山君。

ここはさ、映画とかだと彼氏が彼女の手を取ったりして

もしくは軽く抱っこなんてしながら乗せてあげる場面じゃない?

だから『どうやって乗るの?』って聞いたのに。

「よじ登って」

「…………」

「はい、頑張って」

「…………」

やってやるわよ。やればいいんでしょ!
< 23 / 215 >

この作品をシェア

pagetop