キミ色ヘブン
でも『彼氏の好みだから』なんて理由で髪色変えたと思われたくなかった。なんなのこの私の変なプライド。

「ふーん。そっか。私は前の色も好きだったけど、今のもいいと思うよ?」

恵美は笑って私の髪を撫でた。

中山君はどう思うんだろう?

びっくりするかな?似合うって言ってくれるだろうか?

「あ~!!やっぱ中山みたいな彼氏できると変わるね。ハニーブラウン?」

ちょっと高めの声の方へ視線を向けるとやっぱり華。

「別に中山君は関係ないんだけどね?」

「いーじゃん。綺麗な色だし、サチに似合ってるよ?あ~、私も髪の色また変えようかなぁ」

「じゃ、思い切って黒にしたら?」

恵美がそう言うと華は『冗談!』と自慢の髪をかき上げ、ふんわりとカールした髪がスローモーションみたいに落ちてくる。

ふんわり、ふんわり、“華”って名前にぴったりな華やかさが彼女を演出する。

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