キミ色ヘブン
「図書館?あそこかぁ……。あそこは出来れば避けたいんだけど?」
「なんで?」
私は是非あそこでお願いしたいんですけど?
「あのね。図書館の奥の準備室にアイロンあるの知ってる?ふる~いヤツ」
そんなの知ってる方がおかしい。だってあそこって図書委員の柴田先生しか使えないハズなんだし。
「前さぁ、お昼にパンを食べようとしたらね、冬って朝コンビニで買ったパンなんて冷えてるじゃん?だから……ちょっとアイロンで──」
はにかむように笑う中山君とは対照的に
「で?」
ドキドキしながら目をまん丸にして食い入るように中山君を見つめてしまった。
「アイロンの上で焼いた。結構上手く焼けましたよ?」
そうじゃないでしょう?
「で?」
「怒られた」
でしょうね。だろうね。
「で、立ち入り禁止って言われちゃってまして。僕、結構読書好きなんだけど」
今日は『告白』という本屋大賞受賞作と書かれた帯のついた本を広げながら、のほほんと中山君は口角を上げたままで呟いた。
その緊張感のなさにつられて私まで笑ってしまった。
「なんで?」
私は是非あそこでお願いしたいんですけど?
「あのね。図書館の奥の準備室にアイロンあるの知ってる?ふる~いヤツ」
そんなの知ってる方がおかしい。だってあそこって図書委員の柴田先生しか使えないハズなんだし。
「前さぁ、お昼にパンを食べようとしたらね、冬って朝コンビニで買ったパンなんて冷えてるじゃん?だから……ちょっとアイロンで──」
はにかむように笑う中山君とは対照的に
「で?」
ドキドキしながら目をまん丸にして食い入るように中山君を見つめてしまった。
「アイロンの上で焼いた。結構上手く焼けましたよ?」
そうじゃないでしょう?
「で?」
「怒られた」
でしょうね。だろうね。
「で、立ち入り禁止って言われちゃってまして。僕、結構読書好きなんだけど」
今日は『告白』という本屋大賞受賞作と書かれた帯のついた本を広げながら、のほほんと中山君は口角を上げたままで呟いた。
その緊張感のなさにつられて私まで笑ってしまった。