キミ色ヘブン
こんな変な理由で始まった私と中山君の第二美術室での勉強会。
それはそれはまるで、順調じゃなかった。そして期待するような恋人同士の甘い時間でもなかった。
どうやら理数系はまだマシらしく、いつも広げるのは暗記物の多い教科。私は暗記なんて、何度も繰り返して暗記すりゃあいいじゃん!と思ってしまうのだけれど。
どうも彼にはそれが通じない。
今日も私と文学史の問題を見ながら
「ねぇ、白川さんって『人間失格』読んだ?」
と話し出す始末。
「『恥の多い人生』って何だろうって思わない?」
「恥って……色んな常識を知らないって事?」
「ここではそうじゃない気がする」
「じゃ、何なの?」
それはそれはまるで、順調じゃなかった。そして期待するような恋人同士の甘い時間でもなかった。
どうやら理数系はまだマシらしく、いつも広げるのは暗記物の多い教科。私は暗記なんて、何度も繰り返して暗記すりゃあいいじゃん!と思ってしまうのだけれど。
どうも彼にはそれが通じない。
今日も私と文学史の問題を見ながら
「ねぇ、白川さんって『人間失格』読んだ?」
と話し出す始末。
「『恥の多い人生』って何だろうって思わない?」
「恥って……色んな常識を知らないって事?」
「ここではそうじゃない気がする」
「じゃ、何なの?」