キミ色ヘブン
もうここまで来れば中山君のマイペースは全開するのみで。

『気になる~』と言い出したら、結局勉強もそこそこにバイクで消えてしまったりする。

そして私はここで夕日を浴びながら油絵を描いて帰ったりして。

そう、それはそれは甘くない私達なのだ。

図書館で恋人同士の勉強タイム?なんて思ってたけど、この色気もない会話を聞かれるぐらいなら、ここでひっそりと勉強するのも悪くはないか、と最近は思ってしまう。

それでも『じゃまた』って背中を丸めてすごすごと帰っていく中山君の背中は可愛いし、細めた目も優しいし、

私はそれなりに満足している。
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