キミ色ヘブン
むしろ最近じゃ、最初の告白を『悪夢だ』って思ったのを反省する位。

だって彼の隣は全然『最悪』なんかじゃないもん。


「はい。どうぞ」

胸のポケットから出されたのは、いつものチュッパチャップス。

中山君は緑のヤツ。

それが一番懐かしい味がするって言う。

私のは赤。

それが一番甘くて『白川さんっぽい』って中山君は言う。

「ありがと」


こんな中山君の一面に気づいてる女の子ってどれだけいるんだろうか?

もしかしたら私だけかもしれない。

そう思うとちょっと心は跳ねて、嬉しくなる。

私だけが知っている中山君の一面。

それはいつも私の優越感に直接作用する。
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