キミ色ヘブン
ゴロゴロと空が唸り出し厚い雲に覆われて徐々に暗くなってきた外を見て急に中山君は大きめな声を発した。

「僕の人生はさ、必要最低限の成績とフリーダムでブラボーだ!」

「…………はい?」

ふざけてるのかと思ったら、日本史の“年号丸暗記表”と書かれたページをマジマジと見つめている。

「だから、こんな意味のなさそうな事だってきっと……」

いつも通り口端から出した飴の棒をクイクイッと上下させて。

「意味、あんだろうな。やらないよりはずっと意味があるんだよな?」

「…………」

答えられなかった。中山君本人だってどこまで本気で言ってるのかさえ分からないけど。

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