キミ色ヘブン
『ま、いつか分かるんだろうね』とニッと歯を見せた中山君。

その表情に見入ってしまう。

そして生まれてくるのはもうひとつのこんな感情。

ストレートに脳を通さないで心の中からダイレクトに生まれてくるような、そんなような感情。


この人の隣にもっと居たい──

この人と一緒に今を見ていきたい──


「白川さん、そんな顔で見られたらキスしたくなっちゃうんですけど?」

目を閉じると聞こえる、降りだした強めの雨が窓を叩く音。

ゆっくりと動き出した私の心を感じていた。


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