君と一緒に(短)
涙は今でも止まってくれない。
だけど、あたしの心はもう決まっていた。
あたしバカだなぁ。
少し遠距離になるってだけで、こんなに泣いて、悩んで、迷って、傷ついて。
あたし達を繋げる絆がそんな簡単にちぎれてしまうはずないのに。考えるだけ無駄だ。
あたし達はいつだって、2人で笑い合っていたんだ。距離なんて関係ないよ。
そうでしょ、脩ちゃん。
躊躇することなく、インターホンを押した。
すぐに開いたドア。
中から出てきた脩ちゃんは、あたしを見て少しだけ目を見開いた。
「……由宇」
あたしの名前を呼んだ途端、優しい笑顔を見せてくれた脩ちゃんに胸が鳴る。