Angel Memories
ザザ----
少し穏やかになった波の音。
僕は持っていたライターで
なんとかたきぎらしい物を作りあげた。
パチパチ、と小さな音をたてて燃える
その炎は、なんだかはかなくて
海の湿気で消えてしまいそうだった。
「僕が周りを見張ってるから、大丈夫だよ。シエラちゃんは眠ってなよ」
「...」
ふいに空の月を見上げたその星色の瞳は
うつろに開かれていた。
「おやすみ」
そう言って僕はまた、近くに用意しておいた薪やら、木屑をまた炎の中へ放り込んだ
今宵はやけに月明かりが眩しい夜だった。