Angel Memories
「天使・・・か・・・」
不意にそんなことを呟いてみた。
また海の潮風が僕の頬を撫でる。
そしてそのまま、隣に眠る天使の髪を
風邪がかきあげた。
「・・・・・」
そっと彼女の瞳が開かれる。
その瞼の奥からは星色の綺麗な青が
覗いてみえた。
「・・・・・・・ッッ」
彼女が顔をしかめたのは右腕の痛みから。
きっと痛さも尋常ではないだろう。
「もう少し寝てなよ」
僕が彼女の肩を支えた。
すると彼女の表情が少し緩んだのが
みてわかった。
小刻みに震えるこの小さな肩を
僕は守りきることが出来るのだろうか・・・
不意にそんなことを考えた。
「大丈夫。焦らないで」
「僕達の旅は、まだ始まったばかりなんだ」
「・・・」
そう。
始まったばかり、なんだ。