恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
珍しいって…
失礼な奴だな。
俺だって、希や茉央以外のことも考えるんだ。
まぁ…
それはあまりないけどな。
「言わない。なんかお前に言ったらダメな気がする。」
そんなことを考えながら、俺は陽翔にそう言った。
『30になったのが嫌だ』なんて言ったら、きっと陽翔は俺をからかうだろう。
「なんだよ〜、一真…みずくさいぞ!悩みがあるなら俺に言えって!!」
「別に悩んでないから。」
敢えて冷たく言い放つ。
「そんなに言いたくないことか…?あ!希ちゃんとケンカでもしたの?」
「…なんでだよ。ケンカなんてしてない!うちはいつだって円満だ。」
そう言えば、俺と希はケンカなんて一度もしたことがないような気がする。
平和だなぁ…
俺ってなんて幸せなんだ─
と、そんな風に思っている最中も、陽翔は俺の考え事が何かを必死に当てようとしていた。