恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
「ねぇ…かーくんはどうしてそんなにお義兄さんのこと嫌うの?」
お風呂に入り、茉央も寝かせ、明日の準備も一段落ついた時、私はかーくんに尋ねた。
「どうしてって……まぁ、あれだよ。あいつ…失礼だしな。」
失礼?
「どこが?お義兄さん、私にも茉央にもいつも優しくしてくれるよ?」
私がそう言うと、かーくんは首を横に振った。
「希は本当にいい子過ぎるんだよ。兄貴、希が俺の奥さんじゃなければ絶対手出してたって……」
なぜか拗ねたようにそんなことを言うかーくんを見て、私は思わず笑ってしまった。
「な、なんだよ…っ!」
「あははは…かーくん、可愛い〜!妬いてるの?」
あからさまだよね。
「何言って…や、妬いてなんかねぇよ!それに、俺は可愛くないって!!」
可愛いよ─
まだ笑い続ける私に、かーくんは真っ赤になりながら反論していた。