恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
いつもはかーくんの方が立場は上だけど、今日は逆転してる。
なんか…
ちょっと楽しい。
「希、こら!!お前…本当いい加減にしろよ。」
「う〜ん…かーくんが妬いてるって認めたら、やめてあげてもいいよ?」
真っ赤になってるかーくんが面白すぎて、私は少し調子に乗って言った。
「お前なぁ……」
かーくんは、もう諦めかけの顔をしている。
「ねぇ、かーくん。あんなにお義兄さんを嫌うのは、私に優しくするから?」
「……………」
何も言わないかーくん。
少し…言い過ぎたかな?
「かーくん…?」
声をかけると、かーくんは下に落としていた視線を戻し、真っ直ぐに私を見た。
そして何を思ったのか、いきなり私を引き寄せ、優しく抱きしめた。