恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
「希………」
私を抱きしめたまま、小さな声で名前を呼ぶかーくん。
「…ごめんなさい、かーくん。ちょっと…言い過ぎちゃった。」
なんで突然抱きしめてきたのかはわからないけど、私は謝った。
そして、かーくんの胸の中で目を閉じ、背中に手を回してギュッと抱きしめ返した。
「いいよ、希。俺、全然怒ってないから。ただ…」
ただ?
私は目を開けて、かーくんの顔を見上げた。
「ただ…希の言ってることが図星過ぎて、恥ずかしかったんだよ//」
「図星って……」
「…妬いてるよ、俺。お前に親しく接する奴…兄貴とか、中津とかに。だって……希は俺のだから。」
そう言うと、かーくんは左手で私を抱きしめ、右手は私の頭の上に持って行き、微笑んでそっと撫でた。
「うん…私は、ずっとかーくんのものだよ?」
「…可愛いこと言うな。」
だって…
本当のことだもん。
返事の代わりに笑い返すと、かーくんは私の前髪を上げて額にキスを落とした。