恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
「…起きてない。」
目は瞑ったままだけど、かーくんはそう答えた。
「起きてるじゃん…」
私の質問に答えたし。
「いや、まだ寝てる。……起きて欲しいの?」
もう…確信犯だな。
ずっと側にいて、かーくんのことを見てきたから、すぐわかる。
かーくんが今、何を企んでるかなんて…すぐに。
「うん、起きて欲しいよ。今日は出掛けるから。」
敢えてそのことには触れず、普通に答えてみた。
「…昼からだろ〜」
そうだけど…
「まだ準備終わってないでしょ?ほら、起き……んっ!」
言葉の途中で、私はかーくんに突然頭を引き寄せられ、キスされた。
「……はぁっ、もう…!」
「ん〜!おはよ、希♪」
唇を離すと、かーくんは上機嫌にそう言った。