恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
「なぁ…希。」
「ん?」
「お腹…目立ってきたな。」
反省しながらしばらく希を抱きしめた後、俺は体を離し、そっと希のお腹に触れた。
「そうだね…毎日少しずつ大きくなってるんだと思うと、すごく嬉しいの。早く会いたいなぁ…」
そう言ってる希の顔は、もうすっかり母親の顔だ。
「あ!」
「…え?なに?」
「今…ちょっと動いた♪」
希は嬉しそうに言うけど、俺にはわからなかった。
父親って、母親のように自分の体の中で子供を育てたり出来ないからな…
「気のせいかな…?」
「わかんない。けど、今から動いてるなら、相当元気だと思うよ。」
「だといいなぁ…」
希はそう言って、笑顔を浮かべながら、俺の手の上に自分の手を乗せた。
「…パパもママもお兄ちゃんも、みんな待ってるから、早く大きくなってね♪」
そんな可愛いことを言ってる希の頬に、俺は軽くキスをした。