恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
なんか変な空気…
このままだと俺、もうすぐ茉央を泣かせそうな気がする。
「あ、そうだ!!」
なんとか事態をいい方向に持って行けないかと考えて、俺は『あるもの』の存在を思い出した。
俺は、自分の部屋にしまってある『それ』を持って来て、茉央の前に座った。
「茉央。これはな、ハーモニカっていうんだ。昔、パパが友達にもらったんだけどな。」
「……?」
俺がそう言うと、茉央は不思議そうにハーモニカを見ていた。
まぁ、説明しても2歳の子にはわからないよな─
それに、こういうのは口で言うより、実際にやってみるに限る。
そう思った俺は、茉央の興味深げな視線を受けながら、少し音を出してみた。
すると、茉央は一瞬びくっと震えて、固まった。
「やってみるか?茉央。」