恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
希がいないことが気になるなら、違うものに気を向かせればいい。
俺はそう思って、茉央の手にハーモニカを持たせた。
「ほら、こうして…」
茉央を自分の足の上に座らせ、吹き方を教える。
すると、まぁ…イマイチだが、一応音は出てくれた。
茉央も楽しいと思ってくれているのか、覚えた吹き方で何度もハーモニカを吹いていた。
―数十分後―
「ぱぱ〜?」
「ん?」
さすがにハーモニカ遊びは長くは続かず、俺も飽きてきた頃、茉央が俺を呼んだ。
『ままは?』とか、聞くんじゃねぇぞ……
「これは〜?」