恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
「ぱ、ぱ……」
しばらく眺めていると、茉央が小さな声でそう言った。
『パパ』か…
あの頃のかーくんを知ってる人からは、今のかーくんの姿は想像もつかないだろう。
私は、頭の中で昔の『杉田先生』を思い出していた。
明るくて、カッコいい人。
実は、私の初めの印象は、みんなと同じようにこうだったんだ。
でも側で見てるうちに、それが嘘だったんだと気付かされた。
冷たい目。
光のない目。
その奥に隠された、残酷な真実。
それを知った時、私は『先生』の傷だらけの心を癒したい…そう思うようになった。
あの辺りぐらいから、私は本気で『先生』が好きだって思ったんだ─
懐かしい記憶…
「……希?」