恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
突然声がしたと思ったら、さっきまで寝ていたはずのかーくんがうっすらと目を開けていた。
「!……おはよう。」
「ん〜…おはよ。」
そうは言ったけど、かーくんはまだ眠そうに目を擦り、ふと横を見た。
「……茉央。」
茉央の名前を呟いた途端、かーくんはさっきの眠そうな顔とは一変して、優しい笑顔になった。
「そう言えば…希、さっき俺のこと見てただろ?」
茉央の頭を撫でながら、かーくんは小声で言う。
茉央を起こさない為…か。
「…バレた?」
「うん。で、何考えてた?」
ひょっとして、寝てたのも演技だったりする?
それは…ないか。
「昔のことだよ。付き合う前のかーくんのこと思い出してたの。」