恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
「な…なんで?」
いきなり…どうしたの?
『篠原』なんて呼ばれたのは久しぶりで、私はかなり動揺してしまった。
でも…
なんか、戻ったみたい。
あの『杉田先生』に恋してた、高校生の頃に。
「…ん?お前が昔の話するから…つい、な。」
「……先生─」
あ…
昔のことを思い出して、突然『篠原』って呼ばれて、つい私も懐かしい呼び方をしてしまった。
「うわ…懐かしいな、それ。」
背後から抱きしめられたままだから顔はよくわからないけど、声からして、嬉しそうにしてるのは伝わってきた。
「いつも…呼ばれてるのに?」
「バ〜カ。あいつらとお前とは、全く比べ物になんないよ。」
あいつらって…
「たまにはいいな…昔を思い出すのも。悪いことばっかりじゃないし。…どっかの誰かさんのおかげで、さ。」