恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
異変 side kazuma
「かーくん、赤ちゃん…女の子っぽいんだって。」
晩飯の後。
再燃したらしい茉央が、俺の現社の教科書を読んでいるのを隣で見ていた時、希が急にそう言った。
女の子…?
「マジで…?」
「…うん。完全じゃないかもしれないけど。でも、今日見てもらったら、今のところは"アレ"も見えないしって…」
あぁ…なるほど。
へぇ〜…
女の子なのか─
「茉央、よかったな。もう少ししたら、妹に会えるぞ!」
「……?」
俺がそう言うと、なんだそれ?と言うように、茉央は不思議そうな顔をした。
おいおい…
「まぁ…いいや。要するにな、茉央。お前はもうお兄ちゃんって訳だ。」
「まお、にぃに〜?」
「うん、そういうこと。」
さっきまで不思議そうに首傾げてたくせに、俺が『お兄ちゃん』と言うと、茉央は嬉しそうに笑う。
わかってるのか…
わかってないのか…
どっちだろうな。