恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜



そんなこんなで、4限目を迎えた。



少し頭が痛いぐらいで、目立った症状がなかった俺は、普通に授業をしに行った。



この時間は…
1年B組の現社だ。



「え〜…っと、つまり、人間は考える葦っていうのは…あれ?」



なんか…おかしいぞ?



「先生、そこ!『葦』って漢字が間違ってる!」



生徒に指摘され、やっと間違いに気付いた俺は、生徒に謝りながら訂正した。



「らしくね〜。どしたの?カズくん。」



「カズくんって呼ぶな!」



生徒に浸透しつつある俺のあだ名を否定しながら、痛む頭を押さえた。



「あれ〜?カズくん、風邪〜?」



「顔色悪いよ〜?」



生徒にまで心配される始末…



俺、ヤバイかも。
ようやくそう思い出した。



「…ごめん。あと半分くらいあるけど、自習にします。他のクラスは授業中だから、静かにやって下さい。あ、やるのは現社以外の科目でもいいから。」



こんな状態で、まともな授業が出来る自信はない。



俺はそう思い、生徒に自習だと告げて、教室の端っこで、チャイムが鳴るまでしばらくイスに座って目を閉じた。









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