恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
「茉央…」
ベットから起き上がって名前を呼ぶと、茉央は俺の側まで歩いて来た。
「ん?どうした?」
「ぱぱ、あ〜ん!」
……へ?
一瞬意味がわからなかったけど、茉央が口を大きく開けているのを見て、あぁ…と納得した。
よく見ると、茉央は右手に何かを持っているようだ。
それ…くれるのか?
ちゃんと食えるものなんだろうな…と思いつつも、俺は茉央に従った。
「……ん?」
茉央が持っていたものを入れた瞬間、口の中に甘さが広がった。
あ…これ、飴だ─
「おいちぃ〜?」
「…うん、美味しい。ありがとう、茉央。」
茉央なりに、調子の悪い俺を気遣ったんだろう。
お礼を言って頭を撫でてやると、茉央は嬉しそうにしていた。
甘い薬…
ちゃんと効いたよ、茉央。