恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
かーくん…
不意討ちとか、反則─
「まま、ちゅー!」
そう思いながらドアを見つめていたとき、茉央が急にこう言った。
えっ…!?
「茉央…っ!どこで覚えたの?そんな言葉……」
ていうか、さっきの光景、やっぱり見られてたか…
かーくんは多分、わざと茉央に見せたと思うけど。
「ぱぱ!」
私の質問に、茉央は元気良くそう答えた。
やっぱりパパか…
余計なこと教えたのは─
でも…
いつ教えたんだろう?
「…そっか。茉央、パパ何て言ってた?」
「ぱぱ、まま、すき!」
「え…?」
パパ、ママ、好き…?
「だいじぃ〜!」
大事…
そう言って茉央が指差したのは、私の結婚指輪。
好きと大事。
それに、結婚指輪。
かーくん…
「ままは、ぱぱすき〜?」
「…うん、好きだよ。大好き。」
私がそう答えると、茉央は嬉しそうに笑った。