恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
私はかーくんしか知らない。
誰が何と言おうと、私にはかーくんが最初で最後の人だから─
実は、一途に1人の人だけを想うことには、かーくんと出逢う前から密かに憧れてた。
でもそんなことはあり得ないと、心のどこかで思っていたことも事実。
あり得なかった…
かーくんと出逢うまでは。
ただの憧れだった。
けどそれは今、私の目の前に事実として存在する。
私は幸せ者。
愛する旦那様と息子がいて、何の不自由もなしに暮らしてる。
今なら心から『幸せだ』って胸を張って言える。
「希……今日は俺がお前を独り占めしたい…ダメ?」
「…んん…っ、ちょっ…と、かー…くん。茉央が、起きちゃう…」
「大丈夫だって…ちゃんと寝かし付けたから…」
もう…
かーくんのバカ─
さっきまでの不安げな表情とは一変して、私に笑顔を向けるかーくん。
最初から…
計算済みだったのかも。
「今日は寝かせないからな…希。」