恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
奇跡 side kazuma
新たな命の誕生。
それは…
『奇跡』なんだと思う。
ついさっき…
俺の娘が生まれた。
今は普通なら寝てるはずの深夜だけど、眠気なんて全然ない。
むしろ感動しすぎて、茉央の時のようにまた泣いてしまった俺。
こりゃ…
希に泣き虫なんて言えないな。
「…一真くん!」
涙を拭いて、縫合とかの処置をする希より先に分娩室から出ると、そこにはお義母さんがいた。
お義母さんは、分娩室に入る前に看護師さんに預けた茉央を抱きながら、心配そうに俺を見る。
「大丈夫です。さっき…無事に生まれました。希も子供も、元気です。」
そう伝えると、お義母さんは安心したように笑顔になった。
「よかった……」
そんなお義母さんの様子を見て、俺も安心した。
本当によかった…
無事に生まれてきてくれて。