恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
私がそう言うと、茉央は一瞬目を丸くしたけど、すぐに笑顔で頷いた。
それを見て、私は茉央を抱き上げてベッドを降り、そのまま病室を出た。
「うわぁ……!」
しばらく歩いて、着いた場所は新生児室。
初めて見た訳じゃないけど、改めてびっくりする。
すごい…
赤ちゃんだぁ…
茉央も同じように思っているのか、ガラス越しにじっと赤ちゃんたちを見てる。
「あら、希ちゃん。篠原さんも、お久しぶり。」
そんな私たちに、お世話になったあの女医さんが声をかけてきた。
お母さんと一通り喋った後、女医さんは茉央の頭を撫でて、にっこり笑った。
「そうだ!希ちゃん、赤ちゃんに会いに来たんでしょ?」
「え…あ、はい。」
「ふふっ、ちょうどよかったわ。これから希ちゃんの病室に赤ちゃんを連れて行こうと思ってたの。」