恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
お母さんの言葉通り、私たちは今日、久しぶりに実家に泊まることになった。
結婚してからはたまに遊びに来る程度で、泊まることはなかった。
最後は確か…
お父さんが、私たちの結婚を認めてくれた日だ。
お父さんが照れくさそうに『娘を…頼むよ、一真くん。』と言ったあの時のことは、とてもよく覚えてる。
「お父さん、きっと喜ぶわよ〜。一真くん、お父さんの相手、してあげてね?」
「はい、もちろんです。」
お父さんの相手とは…
一緒にお酒を飲むこと。
かーくんはお酒はそんなに飲めない方だし、普段もあまり飲まないんだけど、お父さんの相手はちゃんとしてくれる。
「お父さんに連絡してくるわ。今日は早く帰って来てって!」
お母さんはそう言うと、上機嫌で電話のある廊下へ出て行った。
「じゃあ希、俺は一旦家帰って荷物取ってくるよ。なんか必要なものある?」