恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
お義父さんは…
俺にとって特別な存在。
俺はもう自分の親父を亡くしてるから、どこかで面影を重ねてるのかな…?
「一真くん、これからもあのわがまま娘のこと、よろしく頼むよ。」
わがまま娘って…
希は俺にはもったいないくらい、いい奥さんだと思ってるけどな─
「はい、もちろん。全力で…守っていきます。」
「ははは…熱いね。これだときっと、生まれてくる子供も幸せだよ。」
そうかな…?
そうだといいな。
「俺も昔はそうだった。」
「え…昔は?過去形ですか?」
「う〜ん…今も、かな?」
「言いますね〜、お義父さん。」
「一真くんが言わせるの上手だからだよ。…あ、母さんには内緒でな。」
そう言っているお義父さんの背後に、忍び寄る影─
「…随分と楽しそうですね、お父さん。一真くん、そろそろ休まないと、明日朝起きれないわよ?」
そこにはお風呂から上がってきたお義母さんが、不敵な笑みを浮かべて立っていた。