恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
もしかしたら…
聞こえてるかもね。
「…あ、それより早く下降りよう。仕事、遅れちゃうよ?」
昨日は休み取ったのに、今日は遅刻なんてしたら格好がつかないから…
完璧に目が覚めた様子のかーくんの手を引っ張り、私はリビングへと向かう。
「あ、おはよう、一真くん。」
下に降りると、お母さんとかーくんを起こしに行く前はいなかったお父さんがいた。
「…おはようございます。」
「もう…やだ、2人とも。朝から熱いわね〜。夏だからかしら?」
お母さんが微笑みながら見る先は、私たちの手─
まだ繋いだままだった…!
それに気付いて慌てて手を離そうとしたけど、かーくんが素早く握り直し、そのまま私を引き寄せた。
「………っ!!」
「ははは…そうかもしれませんね。」
かーくんは恥ずかしがることもなく、そう言ってお母さんに笑顔を返していた。
お父さんも新聞を読みながら密かにこっち見てるし…
もう…
かーくんのバカ─