恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
そう。
かーくんが離島に異動になった後、悠哉はそれまで希望していた進路を変え、猛勉強をして史学科のある大学に受かったんだ。
さすがにかーくんと同じ大学とまではいかなかったけどね…
「悠哉。かーくんはこのこと知らないんだよ?言っちゃってもいい訳〜?」
「バ…バカ、やめろ!わかった。撤回すればいいんだろ?………お前の旦那様は素敵な方です!!」
悠哉は悔しそうに私を見ると、大きな声で言った。
悠哉はかーくんに大学に行っているとしか話していない。
悠哉の将来の夢は、かーくんのような教師になることなんだって。
別に教えてもいいと思うのに、悠哉は絶対言うな!と私に口止めしている。
「ったく…希には敵わないよ。杉田の文句言ったらすぐ脅すようなこと言ってさ…」
「当たり前でしょ?かーくんの文句言うのは絶対許さないから。しかも茉央とこの子の前で…やめてよね。」