恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
飲み会 side kazuma
「……ん?」
放課後の職員室。
俺は生徒たちのノート点検をしていた。
「どしたの〜?一真。」
「いや…さっき、誰かに呼ばれたような気がしたんだけどな…」
気配を感じて振り向いてみたけど、そこには誰もいなくて…
やっぱ気のせいか。
「やめろよ、一真…何か見えてるとかないよな?」
隣に座る陽翔が不気味に笑いながらこっちを見る。
「はぁ?まだ夕方だぞ…」
夜ならわかるけど─
でも、俺には霊感なんてものはないから大丈夫だ。
それより…
早く帰りたいな。
「あ〜!一真。さっき希ちゃんのこと考えただろ?」
さっきの不気味な笑顔とは一変して、陽翔は俺をからかうように、笑いながら肩を掴んできた。