恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
陽翔は『一真の奥さんなら俺の友達も同然だ』と、希のことを『希ちゃん』と呼ぶ。
どう考えればそういう理屈になるのかは、よくわからないけどな。
「お前みたいな奴なんて、今時珍しいって。仕事終わったらいつも直帰だろ?」
当たり前だ。
その辺でブラブラする時間があるなら、真っ直ぐ家に帰って希と茉央の顔を見たいと思う。
「飲み会とかも参加しね〜しな…みんないつも言ってるぜ?杉田先生は一途だねって。」
陽翔が言いたいこと…
それは要するに、俺が付き合いが悪いということだろう。
「…何言われても俺はどこにも行かないぞ、陽翔。」
今日も帰りたいから。
「え〜…」
陽翔はわざと作ったような残念そうな顔をした。
効かないぞ、俺には─