BELLADONNA -沈静の劇薬-
「エルド!エルド!」
深く考えこんでいたせいで、現在の主の声が耳を通り抜けてしまっていた。
『どうなさいましたか。』
冷静に、静かに答えた。
「何を考えているのか。
くだらない事なら悩むだけ無駄だ。私はお前の期待には応えられない。」
部下の心をここまで読み取れる人は珍しい。
それが、王たる器質であり、エルドはジーノこそがこの国にふさわしい者だと考えていた。
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