BELLADONNA -沈静の劇薬-
アルファは今までの生活を考えると、世界が反転したような感じがした。
他国に比べれば、幾分かましではあるだろうけれど、誰もが平等で幸せに暮らせているとは限らない。
アルファもそうであった。
それほど、毎日の生活に困るような暮らしぶりではなかったが、自由に学ぶということはできなかった。
自分の食べるものを我慢し、本を購入しては時間が経つのも忘れるぐらい、本を貪っていた。