八月の指定席【花火・短編】
みんなで会社のグチや、これからのプロジェクトについて盛り上がっていた。



そしたら、またマコから次の指令が入る。

「ユースケ、窓閉めてクーラーつけようよー。暑いよ」

また、マコに言われるがまま、窓を閉めに行く。



そうすると他のメンバーが文句を言い出す。

「閉めたら花火の音聞こえねーじゃん。あの音がいいんだろ?ドンドン!ってな?」




正直…、あの音を聞いたら

また去年を思い出してしまう気がした。

ヘタしたら、オレ…泣くかもしんね。

ベランダなんかに、絶対出ねーぞ。

そう、心に誓った時だった。





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