八月の指定席【花火・短編】
一人ですねて、冷えた焼き鳥をかじっていると、

マコが部屋の中に入ってきた。




「…何だよ、今頃なぐさめに来た?」

マコを軽く睨んでそう言うと、彼女はフフッと笑った。

「違う。みんなを、外に出したかっただけ」

「…へ?」




驚くオレを前に、彼女はベランダに通じる窓を閉めてしまった。

「あれ、何で?」

「だってアイツらうるさいもん!カギも閉めちゃいまーす」

マコはご丁寧に、窓のカギまで閉めてしまった。






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