八月の指定席【花火・短編】
オレにそのことを教えてくれたのは、

ここにいる、仕切り屋マコ。

そして、慰めてくれたのも、そのマコ。

だから、オレはコイツに頭が上がらない。





『男のくせに、未練タラタラで情けない!』

って言いながらも、毎晩飲みに誘ってくれて

オレのグチに付き合ってくれた。






一年たって、元カノとの思い出は、少しは消え去った。

だけど、やっぱり今日みたいに同じシチュエーションで

自分の部屋から花火を見るのはツライ。

できれば今日は、どこか花火の見えない店で、一人で飲んでいたかった。





ま、そんなのコイツらが

させてくれるワケねーんだけどな。




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