Running Homerun


「……寝てる?」

ふと聞こえた声に
私は目を開けた。

隣を見ると大樹の顔があった。
結構近くに。

「ひ、大樹っ!」

驚いた私は慌てて離れた。

心臓がばくばく。

「こんなとこにいると風邪引くぞ」

大樹はニッと笑うと
着ていたブレザーを私の肩にかけてくれた。

「誰よ、こんなとこに呼び出した人は?」

うわっ可愛くないなぁ、自分。

どうして素直に"ありがとう"っていえないんだろうか?


「素直じゃないなぁ。
もっと可愛く"ありがとう"っていえないのか?」

思ったことをずばりと言われて
軽く凹む。

「ま、それがまたいいんだけど」

へっ?



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