Running Homerun
「俺の夢……」
大樹は考えるように
少し下を向く。
でも、すぐに顔を上げてニッと笑った。
「甲子園に行くこと。
東京6大学で野球をする事。
プロで活躍すること」
「いっぱいあるね」
しかも全部野球のこと。
やっぱり大樹は野球馬鹿だ。
「でも一番の夢はやっぱり……」
ふっと唇に感じる暖かく柔らかい感触。
それが"キス"と気づくまでに
そんな時間はかからなかった。
「箏音を幸せにすることかな?」
「ひ、ひろ…///」
いたずらっぽく笑う大樹。
ちょっと悔しくて
私は大樹の胸を軽く叩いた。
「不意打ちは禁止っ!!!!!////」