Running Homerun
──キーンコーンカーンコーン……
「もう昼休み終わりっ!?」
チャイムが鳴ると同時に驚く大樹。
「やべぇっ、まだ飯、食い終わってないっ!!!」
そういうと慌ててお弁当を食べ始めた。
「大樹、そんなに慌てて食べたら……」
「っ!ぐふっ!!」
"のどにつまるよ"と言う前にのどに詰まらせている。
「…はぁ。
だから言ったのに(言ってないけど)」
私は少し呆れながら
大樹にお茶を渡す。
大樹は"ありがとう"というように手を上げ
お茶を受け取ると、一気に飲み干した。
「ぷはぁーっ!
生き返ったぁーっ!」
おっさんみたいなことを叫ぶなって。
「そんな慌てて食べたら
のどに詰まるにきまってるでしょ」
呆れ半分にそういうと
大樹は落ち込んだように「あい」と返事をした。
その姿が可愛い。
私の顔から知らないうちに笑みがこぼれていた。