Running Homerun



7月に入ったばかりの日の夜だった。



「箏音、座りなさい」


急にお父さんとお母さんに呼び出されて
向かい合わせに座らされた。

お父さんもお母さんも渋い顔をしている。

「…?どうしたの…?」

私は状況をまったくつかめず
両親の顔をじっと見つめた。


「箏音…今の学校は好きか?」

「え……好き…だけど…?」

質問の意図が掴めなくて疑問系になってしまう。

お父さんは辛そうに息を吐いた。



「箏音には悪いけどな……」


お父さんは少し間を置いてから言った。







< 33 / 64 >

この作品をシェア

pagetop