Running Homerun


みゅーに指摘されて
自分がニヤついてることに気が付く。

「うそっ」

慌てて真顔に戻したけれど
時すでに遅し。

「箏音、なにニヤついてんだぁ?」

大樹が怪しげな笑みを浮かべている。

その笑みに私はハラハラする。

「あ、さてはぁ…」

ば、バレた!?

大樹は探偵が犯人をズバリ言うときみたいに
私を指差した。






「エロいこと考えてたな!?」






はっ!?

エロいこと?

「…いやいや、考えてないし。」

「いや~箏音もいい年だしなぁ。
考えちゃうよな
あんなこと、こんなこと…」

「人の話を聞けよっ!」


私は呆れたのとほっとしたので
盛大にため息をついた。

大樹はいつもこうして
私をハラハラさせる。

私の気持ちが分かってんだか
わかってないんだか…。

私はきっと後者だと思うけど。
てか、そうであって欲しい。
< 4 / 64 >

この作品をシェア

pagetop