Running Homerun


学校の支度しなくちゃ……。

重い身体を引きずるように動かして
ベッドから降りた。

のろのろとご飯を食べ
服を変えた。

夏服だからそんなに重さを感じないはずなのに
今日はやけに制服が重く感じる。


「いってきまーす」


「いってらっしゃい」という
お母さんの声を背中に家を出た。

空は憎らしいほど青かった。

雲はひとつもない。

「…はぁ」

ため息が零れる。

今の私はこの青すぎる空が嫌い。

心がそんな気持ちじゃないから。


「……はぁ」




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