Running Homerun
大樹はいつもと変わらない笑顔だった。
「なぁ、聞いてくれよっ!」
大樹は嬉しそうな顔で私の前に席に座った。
「どーしたの?」
私はいつもと同じように大樹の話に耳を傾ける。
いつもと同じように…。
悲しい顔なんてしていられない。
大樹との思い出は全部笑顔にしたいから。
涙の思い出なんて作りたくないから。
「俺、背番号もらえたよっ!」
「おぉ~」
「おぉ~」
嬉しそうに報告する大樹に
私たちはパチパチと拍手をしてそれを祝福する。
「んで、何番?」
うん、そこ一番重要だよね。
レギュラー取れたのかな?
期待しながら大樹の言葉を待つ。
「んとね~……」
大樹は言いにくそうにちょっともごもごしている。