Running Homerun
「あ〜やっぱり夏はアイスだね」
みゅーはコンビニで買ったイチゴ味の棒アイスを頬張っている。
「そうだね〜」
私は相槌を打ちながら紙パックの紅茶を飲んでいた。
ちなみにリプトンのアップルティ。
「じゃぁ本題に入るけど
箏音、何か隠し事してるでしょ?」
みゅーに隠し事を出来ないとわかっていた私は
みゅーの質問に小さく頷いた。
「私…引っ越すの。
お父さんの転勤で……」
引っ越しのことを言った瞬間、みゅーが悲しそうな表情をした。
「そう……。
いつ?」
「7月……24日…かな…」
その日は夏の大会初戦の日だった。
「もうすぐじゃん…」
みゅーが俯き、呟いた。
「うん……」
私もそれ以上言えなかった。